鎌倉八幡宮・ぼんぼり祭は、毎年立秋の前日から源実朝の誕生日である8月9日までの3日間(年により4日間)に開催される祭りです。
鎌倉および鶴岡八幡宮にゆかりのある著名人による書画がおよそ400基のぼんぼりに仕立てられ、境内の参道に掲揚されます。
更新状況
- 2023年8月6日:2022年のぼんぼりを掲載
- 2021年8月14日:記事掲載
この記事の目次
鶴岡八幡宮・ぼんぼり祭とは
鶴岡八幡宮・ぼんぼり祭は、もとは海水浴客に鎌倉の文化に親しんでもらおうと、1938(昭和13)年に鎌倉文士らがつくった「鎌倉ペンクラブ」のメンバーが中心となり、ぼんぼりを並べたのが始まりです。
1942(昭和17)年に実朝祭が8月9日と決定してからは、立秋の前日(夏越祭)、立秋の日(立秋祭)と8月9日(実朝祭)をつなぐ一連の祭となりました。
新型コロナ感染症拡大防止の観点からイベントの中止や延期の可能性もありますのでご注意ください。
夏越祭 | 立秋前日 午後3時から |
立秋祭 | 8月7日または8日頃(年によって変動) 午後5時から |
実朝祭 | 8月9日 午前10時から |
公式サイト | 鶴岡八幡宮 |
立秋は天体現象が基になっているため、年によって日が変わり、夏越祭や立秋祭の日程もそれにより変動します。実朝祭は源実朝の誕生日に行われるため日程が固定されています。そのため、ぼんぼり祭は年により3日間または4日間の開催となります。
2021年については、日本舞踊や箏曲の演奏が行われる予定でしたが、社会情勢を考慮して献華以外の行事が中止となりました。
夏越(なごし)祭 立秋の前日
夏越祭は鶴岡八幡宮では1938年(昭和13年)から行われています。
毎年立秋の前日、午後3時になると社務所から神職が出て源氏池のほとりに進み、古来から行われる「夏越の祓」を行います。
この後神職たちは、参道で「茅の輪くぐり」を行い、疫病・災禍を祓い鎮め、天下泰平・五穀豊穣を祈ります。その後舞殿に移動して祝詞を奏上し、巫女たちにより「夏越の舞」が奉納されます。
夏越祭は午後3時から。暑かったので終わった後はカフェでひと休みしました。よろしければ下記のリンクからどうぞ。
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立秋祭 立秋の日
立秋祭は、毎年立秋の日の午後5時から行われます。夏の無事を感謝し、実りの秋の訪れを奉告する祭りで、1950年(昭和25年)から始められました。
夏越祭と同じように舞殿で神職による祝詞奏上の後、巫女による舞いが奉納されます。また、立秋祭では神域で育てられたスズムシが神前に供えられます。
立秋とは:二十四節気(1年間の季節の変化を24節に分割区分した季節の暦)のひとつで、太陽の黄径(太陽が天球上を通る経路黄道を等角分割した座標)が135度に達する日のこと。この日から暦の上では秋とされ、以降の暑さを残暑という。
実朝祭 8月9日
三代将軍源実朝公の誕生日に行われる祭りで、1942年(昭和17年)より始められました。文芸芸術と縁が深く「金槐和歌集」などを編纂した実朝公の遺徳を偲び、神前には俳句や短歌などが献上されます。
実朝祭が行われる白旗神社は、源頼朝公、実朝公をお祭りし、朱塗りの社殿が多い鶴岡八幡宮において、黒塗りの社殿が印象的です。
昼に見るぼんぼり
2021年は都合により夜に出かけることができず、昼の間にぼんぼりを鑑賞しました。幻想的な雰囲気を味わうことはできませんが、昼の光の下で見るぼんぼりもいいものです。
エヴァンゲリオン監督の庵野秀明氏と漫画家安野百葉子氏夫妻のぼんぼりは、今年も並んで掲揚されています。
夜に見るぼんぼり
2022年
2022は鎌倉を舞台にした大型ドラマの関係者による作品が多く展示されていました。
鎌倉観光文化検定対策
鎌倉観光文化検定公式サイトに過去問の記載がある第11回(2017年度実施)以降の鎌倉観光文化検定(以下、「鎌倉検定」)2級および3級の出題の中から、ぼんぼり祭と関連事項について、出題状況や傾向を検討します。
2020年度・2021年度の鎌倉検定は中止となっていますのでご留意ください。
傾向と対策
出題傾向としては、ぼんぼり祭が行われる場所を問うものや立秋祭で神前に供えられる昆虫の名前を問うものなどがあります。
- 立秋の前日から8月9日の間ぼんぼりが掲揚され、夕方に巫女により明かりが灯される神社はどこか(第11回・3級)⇒正答:鶴岡八幡宮
- 立秋祭で神前に供えられるものは何か(第12回・2級)⇒正答:スズムシ
また、ぼんぼり祭が正答としてではなく選択肢の一つになっている問題が、第11回の2級の試験で出題されています。
その時の出題は、鎌倉の祭りと行事について、1から4までの説明文の内容に誤りを含むものはどれかを問うもので、選択肢および各祭りと行事の特徴は以下のとおりです。
- 七夕祭⇒鶴岡八幡宮では2004年(平成16年)から新たに始められたもので、京都の冷泉家の作法を参考にしている。
- 三門梶原施餓鬼会⇒7月15日に建長寺の三門の下で、恒例の施餓鬼会に引き続いて梶原景時の亡霊を弔うためにもう一度施餓鬼会を行うことが恒例となっている。
- ぼんぼり祭⇒鎌倉在住の著名人が揮毫した約400点のぼんぼりが境内に掲揚され、夕刻になると巫女の手によって明かりが灯される。
- 鶴岡八幡宮御鎮座記念祭⇒12月16日、本殿での祭典の後、舞殿北庭の篝火の明かりの中だけで、巫女による「宮人曲(みやびとのきょく)」に合わせた舞い、神職による「人長舞(にんちょうのまい)」が奉納される。
この時の出題では、「鶴岡八幡宮御鎮座記念祭の最終日に小笠原流宗家により流鏑馬神事が奉仕される。」となっていました。4月の「鎌倉まつり」では武田流、9月の鶴岡八幡宮例大祭では小笠原流の流鏑馬が奉仕されます。
鶴岡八幡宮・ぼんぼり祭のまとめ
- ぼんぼり祭は毎年立秋の前日から源実朝の誕生日である8月9日までの3日間(または4日間)行われる。
- 立秋の前日に夏越祭、立秋の日に立秋祭、8月9日には実朝祭が行われる。
- 期間中は鎌倉や鶴岡八幡宮に縁のある著名人によるおよそ400基のぼんぼりが境内に掲揚され、夕方になると巫女の手により明かりが灯される。
いかがでしたでしょうか。今年は天候不順などの影響もあり、夜間にでかけることが出来ませんでしたが、神事は明るいうちに行われる上、ぼんぼりの絵や書などもよく見えます。昼のぼんぼり祭もこれまた違った趣がありいいものですね。
交通アクセス
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参考文献
- 鶴岡八幡宮公式サイト
- 公益社団法人鎌倉市観光協会公式サイト
- 鎌倉観光文化検定公式テキスト
- 鎌倉観光文化検定公式サイト(鎌倉商工会議所)
お断り
- 「祭(り)」の表記については、以下のとおり使い分けています。
- 「ぼんぼり祭」「夏越祭」などの固有名詞⇒「祭」
- 「鎌倉の祭り」「誕生日に行われる祭り」などの一般的な場合⇒「祭り」
- なお、「鎌倉まつり」はひらがなです。