長壽寺はJR北鎌倉駅から歩いておよそ15分、鎌倉を代表する大寺院である建長寺の近くにある建長寺の境外塔頭です。
かつては非公開の寺院でしたが、現在では春と秋に期間限定で公開されています。
更新状況
- 2023年6月2日:記事掲載
この記事の目次
長壽寺とは
長壽寺は、山号を宝亀山という臨済宗建長寺派の寺院で、開山は古先印元(こせんいんげん)禅師、開基は室町幕府を開いた足利尊氏とされています。
創建の年代には諸説ありますが、1323年(元亨3年)から1336年(建武3・延元元年)に建てられたといわれています。
足利尊氏の息子であり初代鎌倉公方であった足利基氏(もとうじ)が尊氏の菩提を弔うためにその旧邸跡に七堂伽藍の大寺院を建立したと伝わります。
鎌倉公方とは
長壽寺の境内を歩く
北鎌倉駅を出て建長寺方面に歩き、横須賀線の踏み切りを渡り暫く進むと、右手の亀ヶ谷坂方面に進む角に急な階段があります。
この階段を上ると長壽寺の山門があります。かつては非公開の寺院でしたが、近年では春と秋に期間限定で公開されています。
長壽寺の公開期間
- 春季: 4月~6月 金土日及び祝日
- 秋季:10月~11月 金土日及び祝日
- 12月:1日~7日まで毎日
拝観時間はいずれも10時~15時で雨天中止となります。詳しくは寺院にお問合せください。
長壽寺本堂と小方丈・書院
境内に入ったら玄関から建物に入り、本堂の本尊をお参りしましょう。この本堂は平成19年に完成した比較的新しい建物です。
本堂の濡れ縁に出ると、これから訪れる観音堂や苔庭が見えています。
本堂から玄関を通り過ぎ書院そして小方丈に足を進めます。どの部屋からも美しい庭園を見ることが出来ます。
小方丈には緋もうせんが敷かれ、ここに座って庭園を鑑賞することが出来ます。暫くの間庭園を眺めて心静かな時間を過ごします。
かつての本堂 観音堂
本堂や書院を見た後は玄関から外に出ます。敷石があるのでそれに沿って歩きます。観音堂に続く敷石では紅葉や青モミジなどを見ることが出来ます。
観音堂は現在の本堂が完成する前のかつての本堂で、内部には木造聖観音像が安置されています。
この観音堂は奈良県奈良市にある円成寺(えんじょうじ)多宝塔の第一層を移築したものとされています。
奈良円成寺について"note"にまとめています。noteへのリンク
足利尊氏の遺髪を埋めた供養塔
観音堂を回り込むように進むと階段が現れるのでこれを上ります。
階段の先には「足利尊氏の墓」と案内板に書かれた変形五輪塔があります。足利尊氏の遺髪を埋葬した供養塔といわれています。
足利尊氏
足利尊氏の墓から書院前の庭園に向けて足を進めます。途中の斜面は鎌倉でも随一のシャガの名所となっています。
長壽寺書院の庭園
暫く歩くと書院を見下ろす庭に出ます。白砂を海に見立て苔と石とで大陸を表現しています。
庭園を満喫した後は出口専用の門から外に出ます。この門から外に出ると、鎌倉七口のひとつである亀ヶ谷坂となります。
ご朱印
今回はご朱印はいただいていません。
鎌倉観光文化検定対策
鎌倉観光文化検定公式サイトに過去問の記載がある第12回(2018年度実施)以降の鎌倉観光文化検定(以下、「鎌倉検定」)2級および3級の出題の中から、長壽寺について、出題状況や傾向を検討します。※問題文は一部改変している場合があります。
2020年度・2021年度の鎌倉検定は中止となっていますのでご留意ください。
傾向と対策
過去の出題数はわずか1問であり内容も難しいものではありません。
- 境内の奥に足利尊氏の遺髪を埋めたと伝えられる石塔がある寺院はどこか。(第13回・3級)⇒正答:長壽寺
長壽寺のまとめ
- 長壽寺は、北鎌倉駅から歩いておよそ15分のところにある建長寺の境外塔頭(たっちゅう)
- 公開時期は春と秋の期間限定
- 境内には苔と白石を使った美しい庭園が広がる。
- 足利尊氏の息子である初代鎌倉公方の足利基氏が七堂伽藍を建立
- 境内には足利尊氏の遺髪を埋めたという変形五輪塔がある。
いかがでしたでしょうか。長壽寺の概要についてひととおりまとめました。もしも気になるようでしたら長壽寺にお出掛けされてはいかがでしょうか。
交通アクセス
JR北鎌倉駅から徒歩およそ15分
連絡先 | 宝亀山長壽寺 鎌倉市山ノ内1503 TEL:0467-22-2147 |
鎌倉市鎌倉観光公式サイト | 鎌倉観光協会公式サイト |
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参考文献
- 鎌倉観光文化検定公式テキスト
- 鎌倉観光文化検定公式サイト(鎌倉商工会議所)
- 深く歩く 鎌倉史跡散策 神谷道倫著 かまくら春秋社