この記事の目次
南湖の左富士とは
江戸と京都を結ぶ東海道。江戸から京都へ向かって歩くと富士山は進行方向に向かって右側に見えます。ところが、茅ヶ崎市の鳥井戸橋付近では、道路が右側に湾曲するため富士山が進行方向に向かって左側に見えます。
これを南湖の左富士とよんでいます。京都に向かって富士山が左側に見えるのは、ここのほかに静岡県の吉原付近が知られています。
江戸時代に東海道を旅した歌川広重(安藤広重)は、鳥井戸橋付近から見える左富士の様子を浮世絵に描きました。
鳥井戸橋には南湖の左富士の碑と案内板があります。また、南湖の左富士は、国土交通省関東地方整備局が選定した「関東の富士見百景」に選定されています。
南湖の左富士の由来(現地案内板)
浮世絵師安藤廣重は、天保三年(一八三二年)に東海道を旅し、後続々と東海道五十三次の風景版画を発表した。その中の一枚に南湖の松原左富士がある。東海道の鳥井戸橋を渡って、下町屋の家並の見える場所の街道風景を写し、絵の左には富士山を描いている。東海道のうちで左手に富士山を見る場所は、ここと吉原(静岡県)の二か所が有名。昔から茅ヶ崎名所の一つとして南湖の左富士が巷間に知られている。
関東の富士見百景
「関東の富士見百景」は、国土交通省関東地方整備局が2005(平成17)年に選定した、富士山の見える美しい地点128景(233地点)のこと。
富士山が美しく見える地点を選定し、周辺の景観の保全や活用を支援することにより、美しい地域づくりの推進を目的として選定され、「かまふち」では、以下の地点が選定されています。
「かまふち」内の関東の富士見百景
- 鎌倉市からの富士⇒鎌倉海浜公園稲村ヶ崎地区、浄明寺緑地
- 県立湘南海岸公園
- 茅ヶ崎市からの富士⇒茅ヶ崎南湖の左富士、旧南湖院、茅ヶ崎海岸・ヘッドランドとその周辺、神奈川県立茅ヶ崎里山公園内・柳谷周辺
茅ヶ崎市内にはほかにも関東の富士見百景に指定されているところがあります。よろしければ下記リンクを参照してください。
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交通アクセス
神奈中バス町屋バス停降りてすぐ
鳥井戸橋近くにある大きな朱色の鳥居は鶴嶺神社の鳥居で、ここから鶴嶺神社の参道が始まります。
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相模川旧橋脚跡へ
でかまん菓子舗
鳥井戸橋付近で富士山を見た後は、国道1号線を平塚方面に向かって歩きます。
間もなく道路左側に「でかまん」と書かれた看板を掲げている和菓子店がありました。どれだけ大きな饅頭を売っているのでしょうか。
でかまん菓子舗は1951(昭和26)年創業の和菓子店で、インターネットで調べてみると、最大のものはたて32センチ、横22センチで値段は3,500円とのことです。
住所 | 神奈川県茅ケ崎市下町屋1-6-5 |
電話番号 | 電話:0467-83-4212 |
営業時間 | 10:00~19:00(月曜日定休) |
アクセス | 神奈中バス 今宿バス停下車 徒歩およそ5分 |
公式サイト | でかまん菓子舗(産業Navi) |
交通アクセス
史跡かつ天然記念物 旧相模川橋脚
旧相模川橋脚とは
でかまん菓子舗からさらに西に歩いておよそ5分、新湘南バイパスの手前に旧相模川橋脚の入り口があります。
旧相模川橋脚は、1923(大正13)年の関東大震災を引き起こした大正関東地震と翌年の余震により、当時水田だったこの地の地中から橋の杭が地上に現れたもの。
鎌倉時代の1198(建久9)年、源頼朝の家来・稲毛重成が相模川に架けた橋であるとされ、1926(大正15)年に国の史跡に指定されました。
橋脚はどれもヒノキを加工したもので直径は48センチから69センチ、長さは3メートルを超えるものもありました。
鎌倉時代の相模川は、現在よりも東側を流れていたと推測され、橋の長さは40メートルを超える立派なものであったと考えられています。
源頼朝は、この橋の竣工式に出席した帰り道、源義経と武蔵坊弁慶の亡霊に頼朝が乗ったウマが驚き暴れて川に落ちてしまいました。
頼朝はこの時の怪我が原因で亡くなったとの言い伝えがあり、後にこの川は馬入川(現在の相模川)と呼ばれるようになりました。
相模川に架かる国道1号線の橋を馬入橋といい、また、対岸の平塚市にある馬入ふれあい公園にもその名残を見ることが出来ます。
人工物なのになぜ天然記念物なのか
調査を進めるに連れて、橋脚が地上に現れたのは地震による液状化現象が原因であることがわかり、2013(平成25)年には、液状化現象としては初めて国の天然記念物に指定されました。
市民の憩いの場として
現在は本物の橋脚は地中で保存され、地上に見えているのはレプリカです。また、整備に当たっては、周辺にサクラが植えられるとともに、保存過程などの詳しい案内板も設置され、市民の憩いの場となっています。
交通アクセス
南湖の左富士と旧相模川橋脚のまとめ
- 南湖の左富士は、東海道の道中京都に向かって左側に富士山が見える、歌川広重も浮世絵に描いた名所
- 国土交通省関東地方整備局が選定する関東の富士見百景に指定されている。
- 旧相模川橋脚は、大地震の際に地中から現れた鎌倉時代の相模川の橋脚
- 国の史跡と天然記念物に指定され、現在は整備・保存されて市民の憩いの場となっている。
いかがでしたでしょうか。南湖の左富士と旧相模川橋脚の概要についてひととおりまとめましたが、もしも気になるようでしたらお出掛けされてはいかがでしょうか。
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更新状況
- 2021年9月29日:記事掲載